家族の思いが詰まっているマイホームは、できることならずっと住み続けたいものですよね。購入時点で、誰かに貸し出すことなど考えている人はほとんどいないでしょう。
ただ、仕事の転勤や親の介護などで「別の場所に引っ越さなければならない」というハブニングは誰にでも起こり得るかもしれません…。
そこで、一時的に第三者への“貸し出し”を考える人もいるのではないでしょうか。
誰かに貸すことで「家賃が入る」と、表面上にはメリットがあるように思えるもの。しかし、その裏に隠されたリスクは、しっかり知っておくべきでしょう。
◆リスクその1:大家業が面倒…!
「誰かに貸し出す=家賃収入がある」ということ。ただ人に貸すのは簡単ではなく、口頭で「貸しますよ」と伝えるだけではありません。きちんとした約束事をしておかないとトラブルのもとなので、契約書を作成したりもしなければならないでしょう。
そのほか、
- 収入として確定申告する
- 固定資産税などの税金は大家持ち
- 借りていた人が引っ越せばハウスクリーニング、壁紙の張り替えをする
- 住宅設備が壊れたら費用をかけて直す
など、大家さんとしての仕事が待っています。
ひとつでも面倒を感じたら、貸し出しは難しいかもしれませんね。
◆リスクその2:だらしない人に入居されると危険がいっぱい
「空き家にすると家が傷む」というのは、よく耳にすることですよね。人が住まない住宅でもホコリや湿気で傷むので、人が住んでいる方がいいという考えから賃貸に出す人も多いです。
ただ、まったく知らない人に貸し出すのは、どんな生活をされるか分からない危険を秘めています。だらしない生活環境の人だと、世間を賑わせているゴミ屋敷のように変貌させてしまうこともあるかもしれません。カビや汚れがこびりついて、退去後にハウスクリーニング程度では元通りにならない可能性もあるでしょう。
また、
- 家賃をおさめてくれない
- 隣家と揉め事を起こした
- タバコや料理で家事騒ぎを起こした
など、「貸さなきゃよかった」という悲劇が起こることも想定しておきたいポイントです。
◆リスクその3:自分が帰れない可能性
契約スタイルに注意して貸し出ししなければ、後から自分達が住めないかもしれません。
通常の賃貸契約は、更新をし続けていれば「借り手」がずっと借りられる内容です。それを避けるには期間を定めた「定期借家契約」という方法で貸し出すこともできるでしょう。
ただ、思っていたよりも転勤が早く終わった場合には困ることに。
借りている人が「すぐに出ていきます」と言えば問題はありません。ただ、新たな入居先がすぐに決まるわけでもないので簡単にOKしてくれるとも思えませんよね。
そのため、「自分の家なのに帰れない」というリスクも考えておかなければならないでしょう。
◆まとめ
空き家にして遊ばせておくよりも、家賃が入ると嬉しいもの。マイホームの貸し出しをする人の多くは、そういったメリットも期待して決断するのかと思います。しかし、すべてのケースが穏便に進むとはいえず、「借り手との間に起こるかもしれないトラブル」については事前に想定しておかなければならないでしょう。帰る予定がないマイホームならば、売却してしまうのも良いと言われています。
「将来戻る予定があるか」「転勤ならば時期は明確か」「大家業は遠方にいてもできそうか」などを総合的に考えて貸し出しを考えてみてはいかがでしょうか。
必ずしも今回お伝えした状況が起こるとはかぎりませんが、リスクとして頭に入れ慎重に判断することが大切です。